2014年度 入社式挨拶

昨年当社は上場廃止し、住友商事／KDDIの両株主による共同経営の会社に移行し、昨年１２月には、業界２位であるJCNの全株式を取得しました。そして本日、J:COMとJCNは合併し、新生J:COMが誕生しました。新生J：COMは加入世帯数500万世帯、ケーブル業界シェア50％を超える企業グループとなり、社会の当社を見る目も一段と厳しくなり、その社会的責任は非常に重いものになります。

来年当社は設立20周年を迎えます。設立当初はテレビだけでしたが、ケーブルテレビ局として日本で最初に電話サービスの提供を始め、次にインターネットサービスも提供するなど事業を拡大し、放送・電気通信事業の一翼を担ってその普及を進めてきました。我が国の高度情報化社会並びに映像・放送文化の発展に寄与するだけでなく、近年は電力事業にも参入し、社会生活を豊かにするという大きな使命を担っています。
この点をまず十分理解していただいた上で、これからの仕事に臨んでいただきたいと思います。

【当社の最近の状況】

当社は昨年末から「次世代STB」を投入し、スマートフォンやタブレットなどマルチスクリーンでテレビが視聴できるサービスを開始しました。手応えは上々で、契約数やARPUにも上昇の兆しがみられるようになってきています。

本年度には、我々の今後の事業展開に重大な影響を及ぼす施策が予定されています。
一つめは、4Kの試験放送の開始です。東京オリンピックに向け、ケーブルテレビの優位性を発揮できるサービスになる可能性が大きいことです。
二つめは、2015年3月末に予定されているデジアナ変換サービスの終了です。まだアナログでご覧になっている家庭が全国推定で160万世帯と言われています。この方々が他事業者に移ることなく、引き続きケーブルで視聴いただけるよう円滑に終了させることが重要です。
三つめは、NTT再編を中心とした新競争政策の議論が始まる点です。今後の電気通信事業の方向性や放送サービスとの融合、あるいは連携に大きな影響を与える可能性があります。

過半のシェアをもつJ:COMは、それまでに確実に足場を固め、市場の拡大と持続的な成長を目指し、ケーブル業界の第一人者としてリードしていかなければならないと思っております。
その意味で、今年度は心を新たにして、一層アグレッシブに事業展開を進めていく方針です。

【二つの基本的事項】

こうした決意を踏まえ、新生J:COMの一員としてスタートを切る皆さんに、特に心していただきたいこととして、二つの基本的事項をお話ししておきます。

第一に、J:COMは他社に先んじて、より良いサービスを提供していかなければならない訳ですが、そのサービスの良し悪しを決めるのは我々でなく、お客さまである、ということです。
ケーブル事業では、地域社会や様々なコミュニティーを通して、多くの社員が活動しています。そこで皆さんは、まずお客さまやコミュニティーと接するとき、お客さまの声を「誠実」かつ「謙虚に」自分の耳で聴き、理解する努力をしていただきたいと思います。
そして、自分の価値観だけでなく、お客さまサイドに立った考えで行動するようにしていただきたいと思います。

第二に、当社はメディア映像コンテンツ・放送事業、プラットフォーム事業、電気通信事業、電力事業を持つ非常にユニークかつ国内事業で数少ない成長産業であるということです。事業成長と個人の成長が両立できる事業体であり、留まることなく変革を起こす側に立ち、情熱をもってチャレンジしていくという気概をしっかり持っていただきたい。その為には、待ちの姿勢ではなく、おおいに失敗し、常に前向きな姿勢で仕事に取り組んでください。与えられたフィールドはとてつもなく広く、その中で、自分の夢の実現と、会社はもとより、業界の発展のためにベストを尽くし、J:COMに入社して本当に良かったと実感できるよう力いっぱい頑張っていただきたいと思います。

【終わりに】

最後になりましたが、これから皆さんの生活環境も大きく変わってくるものと思います。健康には十分留意いただき、各職場で元気に活躍できることを心から期待したいと思います。

2014年4月1日
株式会社ジュピターテレコム
代表取締役社長
牧 俊夫

（本資料はジュピターテレコム社長・牧 俊夫による入社式挨拶の抜粋です）