ニュースリリース
2011年4月1日
株式会社ジュピターテレコム
入社式 社長あいさつ(要旨)
株式会社ジュピターテレコム(J:COM、本社:東京都千代田区、代表取締役社長 最高経営責任者:森 修一)は本日1日、入社式を行い、233名(うち男性141名、女性92名)の新入社員を迎えました。冒頭、東北関東大震災の犠牲者に対し、全員で黙祷をささげた後に式を実施しました。
社長あいさつの要旨は以下の通りです。
233名の新しい仲間の皆さん、入社おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
このなかの3名の方々は仙台と福島で被災されましたが、きょうの式典に駆けつけてくれました。ご家族の皆さんのご苦労は大変なことと思いますが、負けずに頑張っていただきたいと思います。
皆さんの記念すべき新しい人生の門出にあたって、三つの点を私から申し上げます。
1 J:COMを取り巻く環境
J:COMは1995年に、住友商事と米国資本の合弁で設立されて以来、今年で17年目になる新しい会社です。はじめの9年間は厳しい時代でしたが、最近の8年間は快進撃の時代でした。ケーブルテレビ会社のM&Aによって事業規模を拡大し、利益も毎年二桁の伸びを実現。ジャスダックにも上場し、まさにピカピカの会社に成長しました。
しかしながら、今のJ:COM、あるいはケーブルテレビ業界を取り巻く環境は大きな曲がり角にあります。ケーブルテレビ局の統括運営会社という事業形態も、大都市圏では大体の棲み分けができてしまって、これまでのようにM&Aで会社を大きくしていくことが容易ではなくなりました。
今回の大震災と原発事故で日本経済、あるいは日本自体が大きな変化を余儀なくされるのと同様に、ケーブルテレビ業界も大きな試練にさらされています。震災による経済活動の低迷、消費の落ち込みもさることながら、一番の脅威は放送と通信の融合という時代の中でのNTTをはじめとする他事業者との競合です。
さまざまな事業者が光ファイバーの敷設を行った結果、これまではケーブルテレビで放送を見ていた人が、インターネットでも見られるようになっています。通信インフラというハードの面で差がなくなったということです。
では、私たちはどこで勝負すればいいのか。今までどおりの成長戦略の延長線だけでは、これから先の時代を生き抜いていくことは困難です。
放送の会社である私たちには、通信系の会社にはないエンターテインメントとしてのコンテンツの強みがあります。J SPORTS、ムービープラス、ゴルフネットワーク、LaLa TVといったJ:COMのチャンネルに加え、外部のコンテンツの取り込みにも長年のノウハウがあります。
さらに、昨年からKDDIの資本参加を得て、これまでの有線を利用した事業に、auの無線サービスを融合させた新しいメディアサービスの構築に無限の可能性が出てきました。
どのようにすれば、お客さまにさらに支持される会社になれるのか、皆さんの「柔らか頭」で共に考えていきましょう。
2 ケーブルテレビは地域社会と地域住民をつなぐ大切な「公共の器」
私は大震災の報道を見て、地域社会・地域住民の皆さんとのつながり、地域の絆がどんなに大切かを痛感しました。このような環境下で一番大切なものは、平常時から地域との絆をいかに太く確実なものにしておくかということです。少子高齢化時代となり、地域社会に根ざした「公共の器」としてのケーブルテレビの役割はますます重要になります。
ケーブルテレビの営業の基本は、戸別訪問です。一軒一軒の家を回って商品を説明し、お客さまに加入いただきます。加入されたお客さまからの質問や要望に誠心誠意お答えし、お客さまを大切にすることで、他の事業者に流れないようにしなくてはなりません。私たちのケーブルテレビの仕事は、地域社会との密接なつながりを持った仕事です。その機能こそが、他事業者と違った、ケーブルテレビならではの強みであり、大競争時代を勝ち抜くカギでもあります。
一見華やかそうに見える当社の事業は、実は毎日コツコツと足腰強く地域のお客さま回りをして、J:COMの加入をお願いし、お客さまのご要望をお聞きして回るという泥臭いどぶ板営業であり、御用聞きビジネスです。このことを肝に銘じておいていただきたいと思います。
3 J:COMは若い会社
J:COMは設立から17年目の新しい会社です。当社が新卒を募集したのは2004年が初めてです。会社の従業員の平均年齢は36歳で、日本企業の平均と比較すれば5~10歳も若いのです。そして、J:COMは女性が活躍している会社であり、本日お迎えした233名のうち92名、約4割の方が女性です。事業の基幹を担う部長職にもたくさんの女性がいます。
先人が残した教訓は大切に学ばねばなりませんが、これからの新しい成長戦略を考えるためにまず、「柔らか頭」の柔軟な発想が何よりも大切です。
そのために、新入社員の皆さん一人ひとりがJ:COMを自分の会社ととらえ、経験を積み、知恵を出し合い、大いに議論し合って、自主的かつ主体的に貢献していただくことを期待します。
私も、先週の株主総会で社長に選任されて着任したばかりの新入社長です。私と皆さんはいわば「同期生」です。新人同士、会社の発展のためにともに頑張っていきましょう。
ジュピターテレコムについて http://www.jcom.co.jp/
株式会社ジュピターテレコム(本社:東京都千代田区)は、1995年に設立された国内最大手のケーブルテレビ事業・番組供給事業統括運営会社です。ケーブルテレビ事業は、札幌、仙台、関東、関西、九州エリアの19社50局を通じて約345万世帯のお客さまにケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話等のサービスを提供しています。ホームパス世帯(敷設工事が済み、いつでも加入いただける世帯)は約1,315万世帯です。番組供給事業においては、17の専門チャンネルに出資及び運営を行い、ケーブルテレビ、衛星放送、IPマルチキャスト放送等への番組供給を中心としたコンテンツ事業を統括しています。大阪証券取引所ジャスダック市場に上場しています(コード番号: 4817)。※上記世帯数は2011年2月末現在の数字です。